今日も夕方に散歩に出かけました。なんとなく重い気持ちを抱えたまま海辺を目指して歩きました。足腰の鍛錬は日々の積み重ねが大切。半ば義務感で歩きながら西の空の夕日をみると日が傾き、空が夕日に染まり始めていました。いつもより太陽の光が強く日ざしが揺らいでみえました。
ふと、心の奥にしまいこんでいた嫌な過去の記憶がふいに頭をよぎり始めました。フラッシュバック。昭和、平成時代の出来事が次々と浮かんできて、どうしようもない居たたまれなさに襲われました。
浜辺に着き、鳥を探しました。オオバンが2羽、岸壁近くで餌を探してました。釣り人は一人。ウキを使った仕掛けで何か狙っていました。チヌかなにかでしょう。
そうして海の水平線をじっと見つめました。海の向こうにあるはずの何かに答えを求めるような気持ちで。ただ、目の前には海の広がりがあるだけで、答えが得られるわけでもありません。それでも、波打ち際を見つめていると、少しだけ救われるような感覚がありました。打ち寄せる波のリズムが、忌まわしい記憶を少しずつ押し戻してくれるようでした。
風に吹かれながら、東の空を見上げると、深い青が広がり始めていました。その静かな色合いが、自分のざわめいた気持ちと不思議に重なり、ふと肩の力が抜けた気がしました。嫌な記憶は確かに消えないし、時折こうして襲ってくることもある。でも、その記憶を一瞬だけでも包み込むような広い空と海が目の前にあることで、「今ここにいる自分」に少しだけ意識が戻った気がしました。
帰り道、まだ心の中にはざわめきが残っていましたが、海辺で感じた空と波の広がりが、嫌な記憶の重みを少しだけ和らげてくれたように思えました。今でも過去に押しつぶされそうになることはありますが、あの水平線の向こうにあった静けさが、自分の中に小さな力を作ってくれたことを感じます。時間をさかのぼり過去へは戻れません。今からでも少しずつでいいから、前に進むしかないのです。
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